排便障害との付き合い方

便失禁や便秘症について悩んでいるのは、あなた一人ではありません。お腹が張ったり、外出先で便が漏れてしまうといった問題は、日常生活に大きく影響を及ぼします。
排便の問題は人に話しにくい問題であり、この問題を抱えている人は孤独を感じているかもしれません。
排便の問題は、いつ便を出すか自分でコントロールできない便失禁の問題と、腸の動きが悪くなる便秘の問題の主に2つに分かれます。
便失禁や便秘症といった排便障害は、適切な治療や管理がないと、日常生活に問題を引き起こします。

詳細はこちら排便障害の原因や症状、排便管理方法についてはこちらをご確認ください。

参考文献:Guidelines for Management of Neurogenic Bowel Dysfunction in Individuals with Central Neurological Conditions 2012 P9

 

排便障害の原因と症状

排便障害の原因

排便障害の原因

排便障害を引き起こすにはいくつか原因があります。 主な排便障害の原因
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排便障害の原因

神経疾患によるものか、それ以外かによって大きく分かれます。

非神経疾患

排便障害は下記のような場合でも引き起こされます。

  • 肛門括約筋の損傷
  • 結腸癌や直腸癌直腸
  • 肛門奇形
  • 炎症性腸疾患

参考文献:Guidelines for Management of Neurogenic Bowel Dysfunction in Individuals with Central Neurological Conditions 2012 P9

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排便障害の症状

排便障害の症状

排便障害の症状について知ることは、医療従事者へ相談する際に重要となります。 排便障害の症状について詳しく知りましょう。
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排便障害の症状

排便障害の原因によって症状も様々ですが、主な症状は下記の通りです。

便失禁

便失禁は気づかないうちに便が漏れた状態です。

便秘

多くが腸の運動機能の低下や排便時のいきみの問題によって引き起こされます。

溢流性便失禁

便秘と便失禁が合併した状態です。直腸に貯まった便が漏れ出てくることをいいます。

便失禁の主な症状

  • 便意を感じても、トイレへ間に合わず漏れてしまう
  • 下着が便で汚染されている
  • ガスが気づかず漏れている

便秘の主な症状

  • お腹の張り
  • 不快感
  • 腹痛
  • 排便に時間がかかる

医療従事者への相談

排便の問題はとても繊細な問題のため、多くの人が誰にも相談できずにいるかもしれません。正しい治療を受けるためにも、医療従事者から適切なアドバイスを受けることが重要です。

 

参考文献:Guidelines for Management of Neurogenic Bowel Dysfunction in Individuals with Central Neurological Conditions 2012 P15

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神経因性大腸機能障害とは?

神経疾患によって、排便に関する神経が損傷されることで引き起こされる排便障害です。 神経因性大腸機能障害について詳しく知りましょう。
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神経因性大腸機能障害とは?

腸の運動機能低下や、便秘、排便時間の延長といった症状が見られます。また、肛門括約筋を意識的に動かすことが難しくなるため、便失禁を引き起こします。

神経因性大腸機能障害には主に2種類あります。

  • 反射性腸管
  • 弛緩性腸管

反射性腸管

肛門括約筋はしっかり閉じていますが、直腸に便が蓄積されると、いきなり反射的に排便を引き起こすことがあります。胸椎12番よりも上の脊髄損傷で起きます。

弛緩性腸管

通常は閉じるように働いている肛門括約筋が、常に開いている状態となり、多くは便失禁を引き起こします。胸椎12番よりも下の脊髄損傷で起きます。胸椎12番よりも下の脊髄損傷で起きます。

 

参考文献:Guidelines for Management of Neurogenic Bowel Dysfunction in Individuals with Central Neurological Conditions 2012 P14

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排便障害に関するよくあるご質問

排便障害に関するよくあるご質問に対する回答をご紹介いたします。 排便障害に関するよくあるご質問に対する回答をご紹介いたします。
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排便障害に関するよくあるご質問

このQ&Aは一般的なご質問と回答をご紹介しています。個々の例については、必ず、医療従事者にご相談ください。

腸はどのように機能しているのですか?

腸は小腸と結腸(大腸、直腸、肛門)に分かれます。小腸の主な役割は、胃で消化された食物から栄養素を吸収することです。結腸の主な役割は、水の吸収と、体内で不要な産物から便を形成することです。便は直腸と肛門から体内から排出されます。消化管の働きについては動画をご覧ください。

便失禁はどんな状態ですか?

便失禁は気づかないうちに便が漏れた状態です。下着にごく少量の便が付着している場合から直腸の便が完全に漏れる場合まで、症状の程度は様々です。

便秘とはどんな状態ですか?

症状は人によってさまざまですが、お腹が張ったり、不快感があったり、排便時間が長くなったりします。

排便障害の原因はなんですか?

排便の問題はさまざまな原因によって引き起こされます。人によって程度もさまざまです。神経疾患で代表的なものは、脊髄損傷、二分脊椎症、多発性硬化症です。非神経性疾患では、産後の肛門括約筋の損傷、大腸や結腸の癌、炎症性腸疾患が挙げられます。もちろん、排便障害の原因となる疾患は他にもあります。

神経因性大腸機能障害とは?

排便に関する神経が機能しなくなることで起こる排便障害です。排便障害の程度は神経のどの部位が損傷されたかによって異なります。

排便の問題がどのように日常生活に影響するのでしょうか?

便失禁や便秘の問題は非常に不快感をもたらすものであり、私たちの生活にとても大きな影響をもたらします。お腹の張りや不快感といった身体症状だけでなく、公衆の場で便を漏らさないかといった問題もあります。あなたにあった排便管理方法を見つけることが非常に重要です。

排便の問題を管理するためにはどうしたらよいでしょうか?

食事療法や薬物療法など様々な方法があります。経肛門的洗腸療法は便秘・便失禁の両方を予防するための治療法です。

 

経肛門的洗腸療法の実施施設はこちらをご覧ください。

 

参考文献:Guidelines for Management of Neurogenic Bowel Dysfunction in Individuals with Central Neurological Conditions 2012

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排便管理

便秘や便失禁を起こさないためには、効果的に排便する方法を見つけることが重要です。 便秘や便失禁を起こさないためには、効果的に排便する方法を見つけることが重要です。
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排便管理

なぜ排便管理は重要なのでしょうか?

排便を効果的に行う習慣は、心と身体の健康改善につながります。

  • 定期的で腹痛のない腸の運動を促進する
  • 便失禁や便秘を予防する
  • 生活の質を向上する

排便管理の選択肢

身体への負担が低い方法から順に、下記のような排便管理方法があります。

・食事/運動療法、生活習慣改善、内服

・摘便、坐薬、バイオフィードバック療法

・経肛門的洗腸療法

・仙骨神経刺激療法

・順行性洗腸法

・ストーマ造設術

 

参考文献:Emmanuel et al. Consensus review of best  practice of transanal irrigation in adults. Spinal Cord. 2013

 

食事療法や薬物療法といった手術を必要としない保存的療法から排便障害の治療は開始されます。

経肛門的洗腸療法

もし食事療法や薬物療法などの保存的療法でも排便障害が改善せず、便秘や便失禁によるトラブルが続く場合には、次の治療方法として経肛門的洗腸療法があります。洗腸療法は定期的で予測可能な排便を可能とし、便秘や便失禁を防ぐ治療方法です。

経肛門的洗腸療法の実施施設はこちらをご覧ください。

 

参考文献:Guidelines for Management of Neurogenic Bowel Dysfunction in Individuals with Central Neurological Conditions 2012

 

 

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